【連載記事 フォートナイト編】新しいゲームのビジネスモデル#04 ~顧客満足度を上げるための戦略~

フォートナイト編 フォートナイト

前回は動画配信などの新興メディアを使ったフォートナイトの集客方法について説明しましたが、集客を成功させただけでは収益は上がりません。フリーミアムモデルを採用しているフォートナイトでは、集客後にプレイヤーが課金するように仕向け、マネタイズ(収益化)をしていくことが重要です。今回はフォートナイトがどのようにプレイヤーを育て、マネタイズ(収益化)をしていったのかを考えていきたいと思います。

定期的なアップデートでゲームの魅力を上げる

今回のテーマはフォートナイトがどのようにプレイヤーを課金するように育成し、収益化を実現していったのかを考えてみたいと思います。

岡崎:「そこ気になるな。いくら頑張って集客してもプライヤーが課金してくれなかったら収益は出せないからな」

そうです。フォートナイトに限らず、フリーミアムモデルで収益を上げるためには、無料で使う→満足する→課金するという流れを生み出すことが重要です。そして、そのためには「顧客満足度」を高めていくことが必要です。

内山:「満足度が高くなかったら課金なんてしないですからね」

岡崎:「フォートナイトはどうやって顧客満足度を高めていったんだ?」

キーワードは「アップデート」です。今のゲームは昔と違って、発売後にアップデートが行われて、不具合を修正したり、ゲームのバランスを調整したり、ゲーム内で使えるアイテムを追加したりするのですが、フォートナイトはこのアップデートをかなり頻繁に行います。

岡崎:「頻繁ってどれくらいの頻度なんだ?」

通常のゲームは定期アップデートは数か月に1度程度のペースで行われていましたが、フォートナイトは月に数回アップデートが行われます。しかも、アップデートにはプレイヤーの意見も反映されていて、例えば、何かしらの武器が強すぎて、多くのプレイヤーがその武器ばかりを使うようになると「皆が同じ武器を使っていたらゲームが面白くなくなるので、武器を弱体化させます」といった感じで、設定をすぐに変えてきたりします。

内山:「ということは、月に数回プレイヤーが飽きないように改善をしているってことですか?」

そうですね。一般的なお店で例えると、接客態度の改善(不具合修正)、棚割りの変更(ゲームバランス調整、新商品発売(新アイテムの追加)といったことを頻繁に行っているといった感じです。専門用語を使うと「UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させる」活動を頻繁に行って顧客満足度を上げているということになりますね。

そして、アップデートを繰り返すことで、ゲームの魅力とプレイヤーの満足度が上がれば当然コアなプレイヤーも出てくるようになり、その人たちがアイテムに課金をしてくれるようになるわけです。

頻繁なアップデートの負の側面

とはいうものの、このアップデートを頻繁に行う戦略ですが、良い面ばかりでは無いんですよ。

岡崎:「何か良くないことでもあったのか?」

あまりに早いペースでアップデートを繰り返したため、開発現場の労働環境が問題になったようです。

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内山:「顧客満足と従業員満足を両立するのって難しいですね」

そうですね。フォートナイトに限った話ではないですが、これからはその2つを両立させる方策を考えていく必要がありますね。

プレイヤーが高めるゲームの魅力

さて、アップデートを繰り返すことでゲームを進化させていったフォートナイトですが、ゲームが進化していくに連れてゲーム内で不思議な現象が現れ始めました。

岡崎:「不思議な現象って何?」

プレイヤーが自分たちで独自の遊び方を生み出すようになったんです。フォートナイトというのは元々はシューティングゲームなので「敵を倒す」とか、「試合に勝つ」というのが本来のゲームの楽しみ方ですが、そうじゃない楽しみ方をする人が現れたんです。例えば、クスっと笑えるプレイで「笑いを取りに行く人」やゲーム内のアイテムを使って「音楽を奏でる人」そういう変わったプレイを撮影して「動画配信する」などです。

内山:「遊び方が多様化したってことですか?」

そういうことになりますね。遊び方が多様化してくるとそれに従ってプレイヤーも多様化していきます。そうなると、また新しい楽しみ方が生まれてゲームの魅力が上がり、プレイヤーのゲームに対する満足度も上がります。

岡崎:「で、満足度があがれば課金するユーザーも増えて、フォートナイトの収益も上がると」

そうです。このようにして、フォートナイトは集客したプレイヤーをしっかりと育てることで、大きな収益を上げることに成功したと考えています。