【連載記事 ロジカルシンキング編】因果関係と相関関係 ~それって本当に原因ですか? 2~

因果関係と相関関係 ロジカルシンキング編

今回は前回のテーマ『因果関係と相関関係』の続きです。

内山:「因果関係と相関関係の違いは分かりましたけど、その違いが分かることでどんなメリットがあるんですか?」

…という声が聞こえて来そうなので、今回は因果関係と相関関係の違いを分けることによるメリットの話を中心にお伝えします。

因果関係と相関関係を分けることによるメリット

因果関係と相関関係を区別して考えることには次のようなメリットがあります。

①見当違いな行動や対策を避けられる

因果関係と相関関係の区別がついていないと本来原因ではないことを原因だと思い込んで、見当違いの行動を取り易い。又は、本当の原因を見逃してしまうということがありますので、これを避けるためにも因果関係と相関関係の区別は付けておきましょう。

岡崎:「前回の例で言えば、実は他のことが原因なのに、『ウチの会社の業績が悪いのは、社長の私がトイレ掃除をしないからだ!』と思い込んで、『トイレ掃除のみ』をやる。といったことだな。」

内山:「そんな人はいないと思いますけどね…」

②ミスリードされない

因果関係と相関関係の区別がついているとミスリードされにくくなります。(「ミスリード」というオブラードに包んだ表現をしていますが、要は騙されないということです)
特に悪徳商法なんかはここをついてきますからね。怪しい健康食品などはこれを巧みに使ってきます。

岡崎:「因果関係と相関関係を混同させて意図的にミスリードをするのはあらゆるところで行われているからな」

③思考停止が避けられる

因果関係と相関関係の区別をつけるようになると、思考停止が避けられます。

どういうことかというと、私たちは原因が分からないことに対してものすごく不安を感じるので、何か物事が起きるとその原因を知りたがります。そして、その原因が分かった気になると安心するので、それ以上原因を調べたり、考えたりすることを止めて思考を停止させます。

実はここに問題があります。何が問題かと言うと、我々は原因が分かった”気になる”と安心して、思考を停止させるということです。言い換えれば、我々は『因果関係が分かったという気になった瞬間』に思考を停止させます。

世の中のAとBの関係が本当に全て因果関係ならこれでもいいかもしれませんが、前回お話ししたように世の中には、因果関係と思わせておいて実は相関関係に過ぎないものがたくさんあります。

だから、因果関係と相関関係の区別がついていないと、「Aが変化したからBが変化した」という関係を安易に因果関係だと思い込んでしまい、結局何も考えていない(思考停止)状態に陥ってしまいます。

このような状態を避けるためにも因果関係と相関関係の区別を付けておくことは必要です。

内山:「う…、これは心当たりがあるぞ…」

でも世の中のほとんどのことは相関関係で成り立っている

さて、前回も書きましたが私は別に相関関係を否定しているわけではありません。相関関係を否定してしまったら世の中が成り立たないですから。

ご存じの方も多いかと思いますが、世の中のほとんどのことは「相関関係」で成り立っています。
「何でか分からないけど、Aを変化させたらBも変化してる」
といった関係の積み重ねで成り立っているのが我々の社会です。

岡崎:「むしろ因果関係がはっきりしていることの方が少ないよな」

内山:「そうですね。飛行機が飛ぶ理由とか薬によってはなぜ効くのかってことも分かってないらしいですし」

でも、だからと言って「相関関係は分かったけど、因果関係は分からないから行動しない」訳にはいかないですよね。そんなことしてたら、個人も会社も社会も発展しないですから。だから、相関関係と上手く付き合って(使いこなして)いくことが、重要になってきます。

岡崎:「だからこそ、因果関係と相関関係の違いを理解して『これは相関関係なのか?因果関係なのか?』ということを考えることが大切になってくるな」