【連載記事 サウスウエスト航空 2nd.Season】サウスウエスト航空の組織と文化#02 ~経営者目線で働く従業員~

サウスウエスト航空の組織の事例研究 サウスウエスト航空

前回はサウスウエスト航空の組織としてのポリシーについてお伝えしましたが、今回は従業員一人ひとりの意識の話です。

一人ひとりが経営者

サウスウエスト航空では従業員一人ひとりが経営者や事業主として働いていると言われています。

岡崎:「会社に雇われているという感覚ではなくて、会社やお店を経営しているという感覚働いているってことだな」

そうです。だから、彼らは「どうしたら自分は会社やお客様に貢献出来るのか?」ということを常に意識しながら仕事をしているようです。

岡崎:「それってすごいことだよな。俺もサラリーマンだった経験あるから分かるけど、会社に雇われているって感覚だと、どうしても自分の保身とか上司の視線が気になって内向きに仕事をしてしまうだろ?」

内山:「それ分かります。『面倒なことに巻き込まれたくない』とか『ことなかれ主義でいこう』って思って、ついつい消極的に仕事をしてしまいますね」

それでは駄目だということは分かっているんですけど、ついついやってしまいます…。そして、そういう人が増えてくると会社の雰囲気が悪くなって、業績も落ちたりするわけですが、サウスウエスト航空の場合はそれがありません。

内山:「なるほど。だけど、具体的にサウスウエストの従業員の人たちはどんなことをしているんですか?」

経営者目線で働く従業員の事例

では、ここからは少し事例を紹介していきます。

少しでも燃料費を節約するフライトしようとするパイロットの事例

航空会社に限りませんが、運送業にとって燃料費っていうのは経営に大きな影響を与える要素です。サウスウエスト航空のパイロットたちはこのことをよく自覚しているので、出来る限り燃料を使わない飛び方をしようとするそうです。

内山:「燃料を使わない飛び方?出来るだけ短い距離のルートや高度で飛ぶってことですか?」

簡単に言ってしまうとそういうことですね。

岡崎:「だけど、そんなことどこの航空会社のパイロットもやってるだろ?」

ただ、サウスウエスト航空のパイロットはルートや高度をすごく細かく選んでいるらしいです。飛行機を飛ばすときには地上の管制官と交信して、飛びたいルートや高度を管制官にリクエストしながら飛行コースを決めていきますが、サウスウエストのパイロットはそのリクエストがやたら多いと言われています。常に上空の風向きとかを考えながら操縦をしているんでしょうね。他にも空港の運営のことも頭に入れながら、一番早く着陸出来る滑走路をリクエストしたりもしているようです。

岡崎:「それってかなり大変そうだな…」

そうですね。私たちで言えば常に燃費を気にしながら車を運転させているのと同じですからね。簡単なことでは無いと思います。サウスウエスト航空のパイロットたちは「自分たちの操縦が経営に影響を与える」という意識が強いからこういうことが出来るのでしょうね。

ホチキスを必ず返してもらおうとするカウンタースタッフの事例

次は空港のカウンタースタッフのエピソードです。細かい話ですが、このエピソードも面白いです。

あるとき、サウスウエスト航空のカウンタースタッフのところに他社の従業員がホチキスを借りに来たことがあったらしいです。サウスウエスト航空の従業員は快くホチキスを貸したのですが、そのあとの行動が面白いです。

内山:「何をしたんですか?」

ホチキスを持った他社の従業員の後について行きました。

内山:「何でそんなことを?」

ホチキスを貸したサウスウエスト航空の従業員はこんなことを言ったらしいです。「ホチキスが返ってこなかったらウチの会社が損をする。だから、きちんと返してもらえるように付いてきた」と。

岡崎:「他社の従業員の人はちょっと引いただろうな…」

そうかもしれませんね。ただ、この行動と発言は「少しでも経費を抑えよう」という意識がないと出来ないことだと思います。細かいことですが、このようなことからもサウスウエスト航空の従業員の意識がうかがい知れます。

意識の高さで無理難題を解決

以前、サウスウエスト航空の10分間ターンの説明をしましたが、あれも、10分間でターンさせることのメリットを従業員が経営者の視点で理解出来ていたからこそ実現できたのだと思います。経営者の視点で短時間で折り返し運航をすることのメリットを理解していたから、無理難題でも「何とかしよう」と皆で知恵を出し合って対応出来たのだと私は思います。

岡崎:「ユニークな機内アナウンスもそうだな。あれも、経営者目線でお客様のことを考えていないと出来ないことだと思う」

内山:「サウスウエスト航空のユニークな施策は従業員の方々の意識の高さにも支えられているんですね」