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【情報編】情報という資源 ~情報を経営に活かすために必要な姿勢と考え方~(全4章)

情報編 連載記事
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情報編では経営における情報の大切さについてお伝えしていきます。
※本記事は2016年6月から9月までメルマガで配信した記事の内容を再構成したものです。

第1章 情報は最大の資源

経営資源としての情報

一般的に経営資源と言えば何でしょうか?

内山:「人・物・金ですね」

そう。その3つが代表的な経営資源としてよくあげられます。しかし、もう一つ重要な資源があります。それが『情報』です。情報は人・物・金と違って目には見えませんが、最も重要な資源です。なぜなら、人や設備、金を豊富に持っていたとしても、情報が不足していたらそれらの資源を有効に活用することが出来ないからです。

岡崎:「確かに。人や設備があってもそれを何に使うべきかという情報が無かったら活かせないな」

そうです。だから、情報はその他の資源を有効活用するための鍵となる重要な資源なのです。

優秀な会社ほど情報の感度が高い

優秀な会社ほど、経営者の方や社員の方々の情報の感度が高く、日常的にあらゆる情報を集めようとしています。

内山:「そうですね。この会社優秀だな~って思う会社の経営者さんや社員さんは皆が知らない情報を多く知っていたりしますからね」

一方、業績が悪い会社は情報への感度が低い傾向にあるように感じられます。皆が知っていることを知らなかったり、周回遅れで情報を仕入れたり…。

岡崎:「感度が低いから業績が悪くなったのか…。それとも、業績が悪くなったから情報への感度も低くなってしまったのかは分からないけど、いずれにせよ情報への感度と業績は相関性がありそうだな」

情報はすぐに増やせる

さて、ここで質問ですが、情報と人・物・金との大きな違いは何だと思いますか?

内山:「うーん。人・物・金は目に見えるからどれくらい持っているかを把握しやすいけど、情報は目に見えないからそれが出来ないとか?」

それも大きな違いですね。もう1つ大きな違いがあります。

岡崎:「人・物・金は増やすのに時間が掛かるけど、情報はその気になればすぐにでも増やすことが出来る」

そうです。人・物・金といった経営資源は増やすのに時間もお金も掛かります。しかし、情報に関してはやる気になって行動すれば、今からでもすぐに増やすことが出来ます。これは大きな違いです。

内山:「中小企業を経営していると経営資源の少なさに嘆きたくなることが多くありますけど、情報なら行動次第でどんどん増やすことが出来るので、せめて情報という資源だけは充実させていきたいですね」


第2章 口を開けて待っていても情報は入ってこない!

情報の大切さを感じて頂いたところで、ここからは情報を集めるに当たって必要な心構えや姿勢について書いていきます。「なかなか自分のところに情報が集まってこないな…」と感じている方は是非読んでみて下さい。

情報を集めるために必要な姿勢

皆さんの中に情報を集めたいと思っているけど、なかなか自分のところに情報が集まって来ないと悩んでいらっしゃる方はいませんか?

内山:「はい。僕のことです」

そういう方に一つアドバイスです。「情報を取りに行く」という姿勢を持ちましょう。

岡崎:「その姿勢大切だよな。情報が上手く集められない人はそもそもこの姿勢が足りない気がする」

内山:「情報を取りに行く姿勢ですか…」

世の中には沢山の情報が自然に集まってくるように見える人たちもいますが、この人たちもなにもせずにただ情報が入ってくるのを待っているわけではありません。きちんと情報を集めるための行動を自分から行っているからこそ情報が集まってくるのです。

岡崎:「口を空けて情報が入ってくるのを待っている姿勢では駄目だってことだな」

情報を集めたいならまずは自分から情報発信をする

内山:「なるほど。情報を集めるためにはまずは自分から行動することが大切ということは分かりました。じゃあ、具体的にどんなことから始めればいいですか?」

情報を集めたいと思ったらまずは自分から情報発信をしてみましょう。「こんな情報が欲しい」「こんなことに興味がある」といった情報を常に発信してみましょう。すると、その情報をキャッチした人から皆さんが欲しいと思っている情報が入ってくるようになります。

岡崎:「どんな情報が欲しいのかをまずは伝えることが大切だな」

情報発信のやり方はどんな方法でもかまいません。人と会話するもよし、SNSを活用するもよしです。慣れていないうちは上手く出来るか不安で、少し尻込みをしてしまうかもしれませんが、気にすることはありません。話が上手く出来なくても相手にはそれなりに伝わるものです。

内山:「まずは行動しないことには何も始まりませんからね」

情報格差はなぜ生まれるのか?

世の中には情報格差という言葉があります。情報を持っている人と持っていない人の格差のことです。

では、この格差はどこから生まれるのでしょうか?その人が生活している環境でしょうか??その人の能力によるものでしょうか???

私はこの差は情報を「集める」と考えているか「集まる」と考えているかによって生まれると考えています。言い換えれば、「情報を自分から得ようとするか」「受身で待っているか」の違いです。

現代では情報へのアクセスは誰でも簡単に出来ます。スマホを使ってちょっと調べれば大抵の情報は集められます。ですから、環境や能力の差は大した問題ではありません。大切なことは情報を集める行為を自分からやったかやらなかったかです。そして、その積み重ねが情報の格差として後々現れてくるのだと私は考えています。

岡崎:「少しの行動と姿勢で集めることが出来る情報の量は大きく変わってくるので、是非皆さんも自分から積極的に情報を集めるという意識を持ってみて下さい」


第3章 三河屋のサブちゃんは何をしているのか?

第2章で積極的に自分から情報を集めることの大切さについてお伝えしたわけですが、この姿勢で日々仕事に励んでいる人がいます。それが、国民的アニメ「サザエさん」に登場する三河屋のサブちゃんです。今回は三河屋のサブちゃんの仕事ぶりから情報収集を学んでいきましょう。

三河屋のサブちゃんの仕事

三河屋のサブちゃんと言えばサザエさんに登場する酒屋のお兄さんです。

岡崎:「知らない人はいないぐらいの有名人だな」

内山:「頻繁に登場しますからね。『ちわ~す。三河屋でーす』でお馴染みです」

かなり頻繁に磯野家に出入りしているサブちゃんですが、この人の仕事は何でしょうか?

内山:「注文を取ることと配達ですよね?」

まあ、それも彼の仕事ではあるのですが、実は彼はその働きが三河屋を支えると言って良いぐらいのもっと重要な仕事をしています。それが、「情報収集」です。彼は定期的にフラッと磯野家を訪れることで磯野家の情報を収集しています。

岡崎:「他の家の情報も磯野家から仕入れることもあるな」

そして、その情報をもとに的確な提案を磯野家にしてきます。ちょうどいい時期に醤油を持ってきたり、お酒を持ってきたりします。そのおかげで彼は磯野家から信頼され、三河屋の経営に大きく貢献しているわけです。

雑談こそ情報収集の基本

さて、三河屋のサブちゃんですが磯野家で具体的に何をしているのでしょうか?

内山:「サザエさんやフネさんと雑談している印象しか無いんですが…」

彼は磯野家で雑談しかしていません。「カツオがどうだ」とか「イササカ先生がどうだ」とかそんな話しかしていません。仕事など一切していないように見えますが、それで良いのです。なぜなら、雑談こそサブちゃんの仕事である情報収集の基本だからです。

岡崎:「確かに雑談って重要だよな。雑談の中から拾える情報も多いし」

そうです。重要な情報ほど雑談を発展させていく中から拾えることが多いです。それに、雑談をする中で今まで自分が気が付かなかったことに気が付くこともよくあります。

内山:「あ~、それ何となく分かります」

岡崎:「あと、雑談をすることで人間関係も作れたりするよな」

それも雑談をすることの大きな機能ですね。雑談をすることで人間関係を深めることが出来れば重要な情報も得られる可能性が高くなります。

内山:「なるほど。そうやって考えると雑談って重要なんですね」

情報収集の能力が高い人ほど雑談力も高いです。ですから、情報収集力を高めたいと思ったらまずは三河屋のサブちゃんのように積極的に雑談をするように心がけてみて下さい。


第4章 情報を検証して正しい判断が出来るようにする

日常生活の中では様々な情報にアクセスすることが出来ます。しかし、情報の中には間違っているものや情報が古くなって以前は正しかったが、今では正しくなくなっている情報もあります。集めた情報を蓄積して資産にしていくためには、情報収集の能力と共に情報を検証する能力も必要です。

岡崎:「ということで、今回は情報の検証がテーマです」

情報は複数の情報源から集める

情報を検証するためには、同じ情報を複数の情報源から集めるようにしましょう。複数の情報源から集めた情報を比較することで、情報が正しいのか間違っているのかが検証出来ます。

内山:「情報源Aと情報源Bから情報を集めて、言っていることに違いがあるかどうかを調べるわけですね」

そうです。複数の情報源から情報を集めて情報を比較することは情報を検証するための基本です。情報を比較して検証する癖を付けておくだけで間違った情報を掴むリスクはある程度減らすことが出来ると思います。

情報の偏りを無くすためにも複数の情報源から情報を集める

一見公平で中立的に見える情報でも人が介在する以上、その人の思いや考え方、先入観、好き嫌い、立場などが入るため情報には偏りが発生します。

内山:「人間の意思が入ってしまう以上、情報が偏ってしまうのはしょうがないですね」

また、情報を受け取る側も自分に都合の良い情報は積極的に集めようとしますが、都合が悪い情報は排除しようとすることがあるため、ここでも情報の偏りが発生します。

岡崎:「ちなみに、自分に都合の良い情報だけを集めてしまう傾向のことを確証バイアスと呼びます」

偏った情報に頼って物事を判断してしまうと、判断を間違えてしまうこともあるので、情報の偏りを出来るだけ少なくするためにも、複数の情報源から情報を集めて検証するということは重要です。