人への投資
会社の資産を増やす、資産の価値を高めるためには「投資」が必要です。
資産はお金や時間を投資することで形成され、その価値が高まっていきます。これは「人」に関しても同じことが言えます。「人」という資産を増やし、価値を高めていくためにはそこに投資が必要です。
では、ここで一つ質問です。
「人という資産を作るためにどれだけの時間やお金を投資していますか?」
人への投資のばらつき
コンサルタントという仕事をしていると、時々「人への投資意識って会社によってばらつきがあるな…」と感じることがあります。
積極的に外部研修に参加したり、社内での勉強会を開催したりする会社さんがある一方で、やらない会社さんはやらないです。会社の規模によって差があるのかと思いきや、比較的規模が小さい会社さんでも研修をやるところはやっているので、規模の問題ではなさそうです。
人への投資は将来のため
では、人への投資の差はどこから生まれるのでしょうか?1つは「今」を見ているのか「将来」を見ているのかという差にあると思います。
人への投資というのはどうしても効果が出るまでにタイムラグがあります。今日投資をして明日から何かが劇的に変わるものでもないので、投資をしない会社さんは「やらなくてもいいか…」「やっても変わらないし…」と考えてついつい投資を怠ってしまうのではないかと考えています。
まあ、やってもやらなくても今は変わらないので、今のことだけ考えているならこれでもいいかもしれません。しかし、将来は違います。
人への投資は設備投資と違って効果が出るまでにタイムラグがあるので、将来のある時点で困った事態になり、急いで投資を行ったとしても間に合わないかもしれません。忙しくても、お金がなくても積極的な人財投資を行っている会社さんはそのあたりのことが十分に分かっているので、何とかやりくりをして人財投資を行っているんだと思います。
ツールや社会の高度化に備えよう
最近はロボット・AI・IT・ネットワークなどが高度になり中小企業にも普及しつつあります。恐らく近い将来これらの導入は当たり前の状態になるでしょう。
将来的にはこれらのツールを積極的に導入しようと考えている会社さんも多いと思います。ただ、一つ気を付けておかなければいけないことは、これらのツールを使うのは「人間」だということです。
ツールがいくら高度になってもそれを使う人の能力が追い付かなければ意味がありません。ツールを入れたらそれだけで何かが劇的に変わるわけではないのです。ツールと人の両方に投資をして両方の能力を高めてこそ新たな価値が生まれていきます。
将来、高度化したツールを上手に使いこなして新たな価値をどんどん生み出していきたいのなら今から人への投資も積極的に行っていきましょう。
(Toyama Suguru)
中小企業診断士事務所 マスタープランズ・コンサルティング代表
中小企業診断士。経営コンサルタントとして中小企業の経営コンサルティングを行っています。また、企業や商工会議所などでセミナー・講演会活動も行っています。著書:「小さな会社はまず何をすればいいの?~新米社長岡崎の10の物語~」
お仕事のご依頼は問い合わせフォームからお願いします。