【連載記事 ロジカルシンキング編】目的と手段 ~「何のためにそれをやるんですか?」2~

目的と手段 ロジカルシンキング編

前回のテーマは『目的と手段』でしたが、今回もその続きです。

『手段の目的化』を防ぐための言葉

これまで『なぜ?』と『だから何?』のロジカルシンキングに必要な2つのキーワードについて説明をしましたが、手段の目的化を防ぐためのキーワードもあります。

『何のために?』

これが、目的をはっきりさせるためのキーワードです。何かしらの行為や行動をするときにこれをやっておくと、目的がはっきりします。目的がはっきりとするということは、目的と手段が分離します。目的と手段が分離すれば、『手段の目的化』は起こりません。

そもそも『手段の目的化』というのは、手段の上位にある目的の存在を意識していないことから始まるので、まずは、この問いかけで上位の目的の存在を意識しましょう。

岡崎:「常日頃から『何のため?』ってことを考えることが重要だな」

一つ上の立場で物事を考えてみる

さて、『何のために?』ということを考えて欲しいという話をしましたが、この問いかけをすると問題が発生することがあります。それが何かというと…

「分からない」

という答えが返ってくる可能性があるということです。

ちょっと時間がある方は、試しに部下や後輩の方に「あなたは何のためにこの仕事をしてるの?」って聞いてみて下さい。もしくは、ご家庭でお子さんに「何のためにこの勉強してるの?」って聞いてみて下さい。そうすると、「よく分かりません」といった感じのニュアンスの答えが返ってくることがあります。一方で「○○だからです」って答えが返ってくることもあります。

この違いはどこから生まれるのかというと、『自分が今いる立場よりも、上の視点から物事を見ることが出来ているか』どうかです。

内山:「今の立場よりも上の視点かぁ…」

岡崎:「平社員なら係長の視点。課長なら部長の視点。初心者なら中級者の視点。子供なら親の視点ってことだな」

これが出来ていないと、『何のために?』という質問にはしっかり答えられないはずです。

『目的(=何のためにの答え)』というのは今自分がいる立場よりも「上の世界」に存在しています。だとしたら、その「上の世界」に行かなければ見つけることは出来ないですよね?

以前、因数分解の話の中で、「何のために因数分解をするのか?」という話をしたと思いますが、あれを因数分解を習ったばかりの子供に聞いてもほとんど答えは出て来ないはずです。それも当然で、彼らは因数分解の「上の世界(二次方程式=複雑な問題)」に行ったことがないので、答えられないです。

立場や環境が変われば目的と手段も変わる

目的と手段の関係ですが、これらは絶対的なものではなく相対的なものです。

内山:「ん?どういうことだ???」

岡崎:「ある人にとっての目的が別の人にとっては手段にすぎないってこと」

岡崎さんが言うように今まで目的だったものが、基準の置き方次第で手段になることは十分にあり得ます。皆さんも会社で上司だった人が昇進して立場が変わった途端に言っていることが変わった。という経験をしたことはありませんか?

内山:「『今まで課長だった人が部長になった途端に行ってることが変わった』ってケースですね」

さて、これはおかしなことでしょうか?

別におかしなことではないです。立場が変われば考えの基準が変わるので目的と手段=言っていることが変わるのは当然です。むしろ、昇進して一つ上の世界に行ったにも関わらず今までと同じようなことを言っていることの方が問題です。

岡崎:「肩書だけ変わって中身は変わっていない=仕事をしていないってことだからな」

ということがあっても別におかしなことではありません。会社の立場(例えば、事業開始直後から安定期に入った)や環境が変われば会社としての方針が変わるのも当然です。むしろ立場や環境が変わっているのに、ずっと同じことを言い続けている方が問題です。

内山:「今自分がいるステージを把握しながら目的と手段を考えるのが重要ってことですね」

岡崎:「とは言っても、人としてのポリシーとか会社の理念とかそういう根本的な部分がころころ変わるのはおかしいからそういうところは気を付けないといけないな」