短納期対応の仕組みが出来ていない場合 ~力技での短納期対応の弊害~
「短納期対応」。中小製造業に強く求められている能力であり、これを自社の「強みにしている」もしくは「強みにしたい」と考えている会社も多いです。
しかし、この「短納期対応」ですが、生産の仕組みが整っていない状態で行うと、会社に大きな負担を強いることになります。
例えば、計画的な生産が出来なくなるため、「生産現場が混乱する」
納期に間に合わせるために、「長時間の残業や休日出勤で対応する」
納期に間に合わなかったために、「得意先からのクレームや催促を受ける」
納期最優先なので、「品質や安全に関するトラブルが続出する」などです。
これらのことを長期に渡って続けると、「短納期対応」は会社にとって負担にしかなりません。
短納期対応の仕組みが出来ている場合 ~短納期対応の仕組みをつくることで出来ること~
短納期での生産が出来る仕組みが整えば、計画的に混乱なくスムーズな生産対応が可能となります。
短納期での生産がスムーズに出来るようになれば、「短納期対応」は会社にとって「負担」ではなく、「強み」になります。また、スムーズに短納期対応が出来る仕組みを構築出来れば、以下のような効果も望めます。
生産現場の混乱によるロスが減る
無理な短納期対応を行った場合、現場が混乱し「急な段取替え」「材料・部品待ち」「人員配置」等のロスが発生します。しかも、これらのロスは他の製品にも波及し、影響を与えます。
スムーズに短納期対応が出来る仕組みが構築出来れば、日々の生産活動を混乱させる要因を取り除き、生産現場全体のロスを削減出来ます。
「短納期対応」という言葉の説得力が増す
短納期対応の仕組みが出来ていれば、お客様にアピールをするときに、「どうやって、短納期での生産が出来るのか」を説明出来ます。
体系立てた根拠ある説明が出来れば、お客様への説得力も増し、訴求効果も高まります。また、交渉の際も論理的な交渉ができ、交渉力が高まります。
トラブルの発生を抑制する
無理やり短納期対応をして、余裕が無い工場というのは往々にしてトラブルが続出します。無理の無い生産を行い、負担を軽減することで余裕を生み出しトラブルの発生を抑制します。
※本記事はマスタープランズ・コンサルティングホームページ更新に伴い、ブログに掲載されていた過去記事(2014年11月掲載)を移転したものです。
(Toyama Suguru)
中小企業診断士事務所 マスタープランズ・コンサルティング代表
中小企業診断士。経営コンサルタントとして中小企業の経営コンサルティングを行っています。また、企業や商工会議所などでセミナー・講演会活動も行っています。著書:「小さな会社はまず何をすればいいの?~新米社長岡崎の10の物語~」
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