【連載記事 フォートナイト編】新しいゲームのビジネスモデル#05 ~遊び場を提供するプラットフォーム~

フォートナイト編 フォートナイト

今回でフォートナイト編は最終回です。フォートナイトはこれまでのゲームには無い新たな戦略で成功を収めました。そして、これからのゲームの在り方も変えてしまうような取り組みも行っています。最終回の今回は、フォートナイトが行ったこれまでのゲームの常識では考えられない取り組みと、フォートナイトの将来について考えてみたいと思います。

ゲームの中でライブイベント

大ヒットを記録したフォートナイトですが、その地位を確固たるものとした後、これまでの常識では考えられないような画期的なイベントをゲーム内で開催しました。

岡崎:「何をしたんだ?」

世界的な人気DJ「マシュメロ」のバーチャルライブをゲーム内で開催しました。

岡崎:「マシュメロって誰?おじさんはDJはDJ KOOさんしか知らないんだけど…」

この人です。

マシュメロ - Wikipedia

岡崎:「これがマシュマロ?」

内山:「いや”マシュマロ”ではなくて、”マシュメロ”です」

ちなみにマシュマロはこちらです。

マシュマロ - Wikipedia

岡崎:「いや、そういうの要らないから…。知ってるし…。で、この人がゲーム内でライブやったってどういうこと?」

それを説明するには実際の映像を見てもらった方が早いですね。

Marshmello Holds First Ever Fortnite Concert Live at Pleasant Park

出典:YouTube 「Marshmello公式チャンネル」

岡崎:「おー、本当にライブやってる。これはこういう映像がゲーム内で見られるの?」

映像が見られるんじゃなくて、このイベントにプレイヤーが参加出来ます。

岡崎:「参加ってどういうこと?」

映像を見ると観客がマシュメロの周りで飛び跳ねたり、踊ったりしている人たちがいますよね?これは実際にプレイヤーが操作しているキャラクターたちです。参加しているプレイヤーのアバターと考えたら分かり易いかもしれません。

内山:「検索するとプレイヤー視点の動画もたくさんあるので、見てみるといいですよ」

岡崎:「じゃあ、さっそく見てみよう。どれどれ…『マシュメロ フォートナイト』で検索して…。おい、これ楽しそうだな!ちょっと参加してみたい。こういうイベントに参加出来るなら俺もやってみようかな…」

内山:「お?始めてみますか?」

岡崎:「せっかく始めるならちょっとオリジナリティー出したいからコスチュームも買ってみようかな。その方がイベントがあったときに楽しめるよな?」

内山:「そうですね。どうせならエモートも買ったらどうですか?動きがあった方が目立ちますよ」

岡崎:「それもそうだな。じゃあ、それも…。って、こういうことか!危うくフォートナイトの策略に乗るところだった…」

内山:「ちっ…。バレたか」

よく考えられていますよね。こうやってゲーム内でイベントを行ったら話題性もあるし、プレイヤーも飽きないし、課金するきっかけにもなります。このようにして「認知度の向上」「顧客満足度の向上」「収益化(マネタイズ)」を上手にやってしまうところがすごいところです。

フォートナイトという「プラットフォーム」

岡崎:「だけど、改めて考えてみるとフォートナイトってこれまでのゲームのビジネスモデルとは全く違うよな」

内山:「そうですね。これまでのゲームはゲームそのものを売って儲けていましたけど、フォートナイトはそうじゃないですからね」

私はフォートナイトのビジネスモデルはゲームのビジネスモデルではなくて、フェイスブックやグーグルといった所謂「プラットフォームビジネス」のビジネスモデルに近いんじゃないかと思います。

岡崎:「プラットフォームビジネスに近い?」

はい。グーグルやフェイスブックが展開しているプラットフォームビジネスというのは何か商品を売るのでは無くて何かしらの「場」を提供することで収益を得ていますよね?それと同じようにフォートナイトは「バーチャル空間の遊び場」を提供することで収益を得ていると思うんです。

岡崎:「なるほど。グーグルやフォートナイトが検索やSNS機能を提供して、その対価を広告で得てるのと同じように、フォートナイトはバーチャル空間の遊び場を提供して、その対価を課金アイテムで得ているわけだな」

そういうことです。ですから、フォートナイトのビジネスモデルを理解するためには、フォートナイト=プラットフォームと考えた方が、成功した理由や今後の展開は想像しやすいと思います。

ゲーム=疑似体験プラットフォームとなる日

ここまで、5回に渡ってフォートナイトのビジネスモデルについて考えてきたわけですが、フォートナイトをきっかけとしてふと思ったことがあります。

内山:「何ですか?」

近い将来ゲームは現実では出来ないことを疑似体験するプラットフォームになるのではないかということです。例えばVRとか使って現実とは違う世界に行って、そこを探索したりとかそこで買い物したりとか、出会った人と交流するとか、そんなことをする道具になるような気がします。

岡崎:「そんなSFみたいなこと…」

と思いますよね?だけど、現実にゲームの世界でライブに参加出来るようになってるんですよ。こんなことは10年前には想像も出来ませんでした。ということは10年後はどうなっているか分からないです。

もしかしたら10年後私たちは「お気に入りのアーティストのライブに行ってくる」と言ってVRゴーグル付けてゲームの世界で開かれているライブに参加してるかもしれないです。

内山:「そして、そこで販売されているアーディストのグッズを買う…」

そう。そうしたら、ゲームが終わった翌日にはアマゾンなどから買ったグッズが現実に届くとかそんな感じになっているかもしれません。

岡崎:「…無いとは言えないな…。そうすると、ゲームの世界に出店して商売するやつも出てくるかもな」

それもあり得ますね。いずれにせよ、ゲームの世界はまだまだ可能性を秘めているので注意して見ていく必要がありそうです。