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ムダとは何か? ~ムダの意味を知ることが効果的な改善の第一歩~

けいなび研修
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今回は仕事の「ムダ」とムダを削減していくための考え方について解説します。

ムダとは何か? ~付加価値を生んでいない作業は全てムダ~

結論から言ってしまうと、「付加価値を生んでいない動き」は全てムダです。例えば、工場での作業が、①材料を取り出す→②材料を機械にセットする→③機械を操作して材料を加工する→④製品を機械から取り出す→⑤製品を箱に入れる、このようになっていた場合、「③機械を操作して材料を加工する」以外の作業は全てムダです。

これは少々極端な気もしますが、ムダを徹底的に無くそうとするとこのような考え方になります。とは言え、現実問題として全てのムダを一気に無くすことは不可能です。ですので、作業のムダを無くしたい場合は実際の作業を次のように分類して、段階的にムダを減らしていくようにしていきましょう。

作業の分類 ~作業を分けてムダを見つけやすくする~

①正味作業(主作業)

付加価値を生んでいる作業のことです。その作業が無くなったら価値が無くなる作業と考えても良いでしょう。

②付帯作業

上で「付加価値を生んでいない動きは全てムダ」と書きましたが、材料や製品の運搬や機械へのセット、製品の箱詰めなどは付加価値は生んでいなくてもやらなければならない作業です。また、仕事をスムーズに行うためには準備作業や機械のメンテナンス・清掃・連絡・帳票類の記入などもやらなければなりません。

このように付加価値は生んでいないが、やらなければならない作業のことを「付帯作業」と言います。

③余裕

ちょっとした息抜きや疲労回復の時間が無いと作業の効率が落ちたり、安全な作業が出来なくなったりします。一見するとムダなように感じることもありますが、効率的かつ安全に作業するためには一定の余裕も必要です。

④ムダな作業

上記に分類されないものはムダな作業です。物を探したり、不良品の手直しをしたり、意味もなくウロウロしたりなどはムダな作業に分類しましょう。「本来やるべきではない動き」「正当な理由が説明出来ない動き」などの観点で分類するのもよいでしょう。

改善の優先順位 ~効果的に作業改善を進めるためのステップ~

作業が分類出来たらいよいよ改善です。とは言っても、改善項目が複数あると何から手を付けるべきか迷ってしまいます。そのようなときは次のように優先順位を付けて一つずつ着実に改善をしていきましょう。

優先順位1 ムダな作業を無くす

まずは明らかなムダを無くすようにしましょう。ムダな作業に分類された作業は一見改善が難しいように感じられることでも、ちょっとした作業環境の改善(物の置き場を変える、整理整頓をする)やルールの取り決めなどで簡単に無くなることが多いです。また、作業者の意識が変わることで自然と無くなることもあります。

優先順位2 付帯作業を減らす

ムダな作業が無くなったら次は付帯作業に掛かる時間の短縮にチャレンジしましょう。もちろん、付帯作業そのものを無くすことが出来ればベターですが、付帯作業は無くしたいけど無くすことが難しい作業であることが多いため、いきなり無くすことを考えず、まずは「作業の時間を少しでも短く出来ないか?」という発想で改善に取り組む方が良いでしょう。

優先順位3 正味作業の短縮にチャレンジ

付帯作業も少なくなったら、正味作業の短縮に挑戦してみましょう。ただし、正味作業の短縮は品質に影響する可能性もあるため、品質との兼ね合いも十分に取りながら慎重に進めていきましょう。

このように作業を分類して優先順位を決めた上で改善を進めていくと、効果的に改善を行っていくことが出来るので、是非実践してみて下さい。