【連載記事 日清食品】日清のふざけたCMについて少し真剣に考えてみた#05 ~日清のふざけたCMのターゲットは誰か?~

日清のCMの事例研究 日清食品編

5回に渡ってお伝えしてきた日清のふざけたCMについての連載記事ですが、今回で最終回です。最終回となる今回は日清は「誰に向けてこのようなCMを流しているのか?」ということについて考えていきたいと思います。

日清のCMのターゲットは20代~30代?

さて、今回は「日清のふざけたCMのターゲット」について考えていきたいと思いますが、2人はどのような人がターゲットになっていると思いますか?

内山:「そうですね~。少なくとも年齢が高い人ではなさそうですね」

岡崎:「そうだな。年齢が高い人は怒りだしてもおかしく無いようなCMが多いからな。そう考えるとやっぱり若者向けだよな」

そうですね。私も若い人向けだと考えています。年齢層でいくと20代~30代がメインターゲットかなと思っています。逆に言ってしまうと、この層を狙っているからふざけたCMを流していると言ってもいいと思います。ちなみに、20代~30代の層の狙う理由も考えたんですけど、聞きたいですか?

岡崎:「折角だから教えてもらおうかな」

20代~30代をターゲットにする理由

20代~30代の層をターゲットにしている理由を考えるために、まずはこの層の人たちのライフスタイルを考えてみたいんですけど、20代~30代の人のライフサイクル、特に日々の食事に関するスタイルはどんな感じだと思いますか?

内山:「毎日の食事って観点で考えると、結構適当にしていてOKというイメージがありますよね。健康に気を遣うというより『手軽に済ませたい』とか『安く済ませたい』という意識が強い感じです。僕も独身のころはインスタント食品やコンビニ弁当ばかり食べていましたし」

岡崎:「確かに若いころはそうだよな。だけど、俺みたいに40歳を過ぎてくると、体脂肪がどうだとか塩分がどうだとか気にし始めてインスタント食品は食べられなくなってくる」

2人が言うように、20代~30代の層はまだ食事の自由度が高いので比較的インスタント食品が好まれる傾向にありますね。つまり、インスタント食品を最も買ってくれる可能性が高い層ってことです。これが、日清が20代~30代の人を狙っていると考える1つ目の理由です。

岡崎:「1つ目ってことは他にも理由があるのか?」

はい。1つ目の理由は「今」に注目して考えましたが、「将来」に注目して考えると別の理由も出てきます。

20代~30代の人たちは子供がいる世代もしくは将来子供がいる世代でもあります。このことに注目すると、20代~30代をターゲットにする2つ目の理由が見えてきます。

インスタント食品というのはその特性から考えて、買い置きをするということが可能です。お母さんがスーパーに行ったときにまとめて買って、買い置きをしておくという家庭は多いのではないでしょうか?

内山:「うちはそうでしたね」

では、買い置きをしておくような商品はどのような基準で選ばれるでしょうか?

岡崎:「基本的には印象に残っているかどうかだよな」

そうです。もちろん、安売りされているといった特殊要因があれば話は別ですが、基本的にはその商品が頭に浮かんできたかどうかで決めます。そして、しばらくそうやって選ばれ続けると買う商品が固定化されます。そこの家庭の定番商品になるってことですね。

内山:「買い置きの話は分かりましたけど、それと子供にどんな関係があるんですか?」

定番商品を買い置きしてあることで、常にその商品が子供の目に触れますよね?そうすると、子供は自然と「カップラーメンと言えばカップヌードル」「カップ焼きそばと言えばUFO」と思うようになりますよね?

岡崎:「そう思ってくれたらその子は将来もカップヌードルやUFOを選ぶようになると?」

そういうことです。ある種の教育ですね。まあ、その子が将来「ペヤングの方が良い」とか「金ちゃんヌードルというものがあるらしい」という情報を得てペヤングを気に入ればペヤング派にや金ちゃんヌードル派に転向するかもしれないですが、そうでなければ、カップヌードルやUFOを買い続けてくれる可能性は高いです。

長期的な視点でブランドの知名度を上げる

内山:「ということは、日清は子供が成長した後のことまで考えて、今インパクトの強いCMを流していると?」

まあ、実際に日清の人がどう考えているのかは分からないですけどね。インパクトの強いふざけたCMを流すことで、「ふざけたCMを流す」→「20代~30代の人の印象に残る」→「印象に残っているから商品を選ぶ」→「定番化して買い置きをしておくようになる」→「子供が日清の商品を目にする機会が増える」→「大人になってからも日清の商品を買うようになる」→「日清は長期的にも安泰」。このような流れが成り立つんじゃないかなと私は思っています。

岡崎:「そう考えると、日清のふざけたCMは長期的な戦略の一環なのかもな」