【連載記事 事例 サウスウエスト航空】 航空業界の異端児#01 サウスウエスト航空ってどんな会社?

サウスウエスト航空のビジネスモデル研究 サウスウエスト航空

皆さんはサウスウエスト航空という航空会社をご存じでしょうか?
日本では見かけることの無い航空会社ではありませんが、経営の世界ではとてもユニークな航空会社として有名です。
今回の連載ではこのサウスウエスト航空を題材として取り上げてみたいと思います。

第1回目の今回はサウスウエスト航空がどのような会社なのかを紹介していきます。

サウスウエスト航空とは?

サウスウエスト航空はアメリカのテキサス州ダラスを本拠地としている会社です。

内山:「Oh テキサス!カウボーイがいるところですね!!」

岡崎:「まあ、カウボーイがいるかどうかは知らないけど…」

The America!!!という地域です。いい意味でも、悪い意味でもアメリカと言えばテキサス!大きなステーキをジュージューと焼いていそうなイメージです。

岡崎:「テキサスの紹介は要らないから、サウスウエスト航空の紹介をしてくれよ」

そうでしたね…。では、続きですが、サウスウエスト航空が設立されたのは1967年。実際に運行を開始したのは1971年のことです。

内山:「有名な会社なんですよね?その割には日本では見かけないですけど?」

サウスウエスト航空はほとんどの路線がアメリカの国内線ですからね。一部国際線もありますけど中米やカリブ海などの周辺国への路線です。ちなみに路線数は国内線が約2400路線、国際線が約100路線です。

内山:「全部で2500路線も運行してるんですか?」

アメリカは国土が広くて飛行機の利用も多いですからね。それでもやっぱり多いです。売上高でのランキングだと大体世界5位~8位ぐらいに位置しています。

内山:「何気に凄い会社ですね」

いえいえ、こんなことで驚いてもらっては困ります。サウスウエストの凄さはここからです。

サウスウエスト航空の凄さ

では、サウスウエスト航空の凄さを説明していきますね。まず、サウスウエスト航空は1972年からずっと黒字です。

内山:「え?ということは45年黒字ってことですか?」

岡崎:「そう。創業年だけ赤字だったけど、そのあとはずっと黒字」

利益率も高いです。平均税引前利益率は大体15%です。

内山:「おー、優良企業」

そして、最大の凄さは変化の激しいアメリカの航空業界でこの結果を出し続けていることです。

内山:「アメリカの航空業界ってそんなに厳しいところなんですか?航空業界ってインフラ産業だからまったりしたイメージがあるんですけど…」

岡崎:「そんなことは一切ない。環境変化は大きいし、アメリカは経営が悪化したら、どんなに大手でも『あ、そうですか。破たんしますか…』っていって平気で会社潰すからな。どこかの国とは厳しさが違うんだよ」

アメリカ航空業界の経営環境

では、アメリカの航空業界がどのような状態だったのか、簡単に歴史を振り返りながら説明をしていきます。
先ほど変化が厳しいと言いましたが、実はアメリカの航空業界は最初から変化が厳しかったわけではないんです。実は1960年代までは新規参入規制や国際線・国内線の棲み分けや国内線のテリトリー規制など様々な規制がありました。そのおかげで、アメリカには世界最大の航空会社が存在しました。それが、パンナムことパン・アメリカン航空です。

内山:「ほう、昔はそんな感じだったんだ。日本と似てますね」

それが1970年代に入ると航空自由化が行われて環境が変わります。これまでの規制が無くなり、航空会社は競争にさらされることになります。

岡崎:「そのタイミングで登場したのがサウスウエスト航空だな」

そうです。サウスウエスト航空にとっては良かった航空自由化ですが、アメリカの航空業界には大きな事件を巻き起こします。

内山:「何が起こったんですか?」

世界最大の航空会社パン・アメリカン航空が経営破綻します。恐らく自由化の流れに対応出来なかったんでしょうね。自由化後業績がどんどん悪化して、事業の切り売りで何とか息をつないでいたものの、1991年に経営破綻して消滅します。

岡崎:「世界最大だろうがなんだろうが、業績が悪くなったら消滅するっていうのがアメリカらしいな」

そして、パン・アメリカン航空の経営破綻から10年後、世界の航空業界に大きな試練が訪れます。2001年の9.11同時多発テロで航空需要が一気に落ち込み、ユナイテッド航空・ノースウエスト航空・デルタ航空などのアメリカ大手航空会社は経営危機に陥ります。スイスのスイス航空は倒産しました。

岡崎:「当時ニュースになってたよな」

内山:「そういえば、そんなニュース見たことがあるような…」

航空業界の災難はさらに続きます。2000年代半ばから原油価格が高騰を始めて、航空会社の収益を圧迫します。そして、その後リーマンショックが発生。2000年からの10年は航空業界にとっては地獄の10年間だったと思います。

岡崎:「日本でもJALが経営破綻したしな…」

内山:「そんな状況の中でもサウスウエスト航空は結果を出し続けてきたんですか?凄いですね!」

そのサウスウエスト航空の凄さの秘密に今回のシリーズで迫っていきたいと思います。