2020年10月時点での航空機業界の業界マップを作成しました。
固定翼・回転翼(ヘリコプター)の主要メーカーを掲載しています。なお、今回の記事ではエンジン・主翼・胴体部品等の部品メーカーは対象外としています。
民間機
中大型機
乗客数100名以上の旅客機を「中大型機」として分類しました。中大型機分野はアメリカのボーイングとEUのエアバスの2台メーカーが競争を繰り広げています。ボーイングはB777、B787の主翼・胴体の生産を日本企業が行うなど、日本の航空機産業にも関わりが深いです。
リージョナル機
乗客数100名以下の旅客機を「リージョナル機」として分類しました。リージョナル機は地域路線でも使用などで成長が見込まれる分野です。
ボーイング、エアバスに続く航空機メーカーであるエンブラエル。コミューター機ATRシリーズを生産しているEUのATR。軍用機でも有名なスウェーデンのSAAB。日本勢では三菱スペースジェット(旧称:MRJ)の三菱航空機が主なプレイヤーです。
カナダのボンバルディアもリージョナル機メーカーとして有名ですが、リージョナル機事業からは撤退しています。また、ボーイングとエンブラエルの民間機事業の統合の話もありましたが頓挫しています。
ビジネス機
数人から数十人乗りの小型機を「ビジネス機」として分類しました。リージョナル機同様に民間航空機では激戦区です。
「Honda Jet」が好調なホンダ・エアクラフト・カンパニー(親会社のホンダは日本企業ですが、ホンダ・エアクラフト・カンパニーは米国に本社があるため、今回の記事では米国企業としています)。ビジネスジェットを生産するボンバルディア傘下のリアジェット。防衛企業ジェネラル・ダイナミクス傘下のガルフストリーム。軽飛行機で有名なアメリカのセスナとパイパー。イスラエルの主力航空機メーカーイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ。セスナ・パイパーと並ぶ軽飛行機メーカーのビーチクラフト。フランスのダッソーなどがあります。また、エンブラエルやリージョナル機から撤退したボンバルディアもビジネス機市場に参入しています。
軍用機
航空機メーカーは民間機だけでなく軍用機の生産も行っているケースが多いです。特に輸送機やヘリコプターなど、汎用性の高い機体は民間機として開発された機体が軍用に改造されることや軍用機がその後民生用になることもあります。なお、軍用機はその特殊性からカテゴリーが細かくなってしまうため、今回の記事では「固定翼機」と「ヘリコプター(回転翼機」の2つのみに分けています。
固定翼機
ボーイングとエアバスは軍用機の生産も行っています。エアバスは民間機をベースとした輸送機・給油機のみの生産ですが、ボーイングはもともと軍事用の航空機を作っていたこと。また、戦闘機を生産していたマクドネル・ダグラス社と合併したことから幅広い種類の機種を生産しています。
軍用機専業の航空機メーカーとしては、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンがあります。特にロッキード・マーティンは世界最大の軍事企業でもあります。スウェーデンのSAABはかつてリージョナル機を生産していましたが、現在は民間機事業からは撤退。日本勢では三菱重工が戦闘機。川崎重工が輸送機。SUBARUが練習機を自衛隊に提供しています。また、新明和工業は飛行艇US-2の生産を行っています。
ヘリコプター
MDヘリコプターズは民間用のヘリコプターの他、軍用の小型ヘリコプターなどの生産も行っています。
ベル・ヘリコプターはヘリコプターメーカーとして有名です。ヘリコプターではありませんが、ティルトローター機の生産も行っており、オスプレイはボーイングとの共同開発です。エアバス・ヘリコプターズはエアバスのヘリコプター部門で世界屈指の大手ヘリコプターメーカーです。アグスタはイタリアのヘリコプターメーカーです。日本では警察ヘリとして多く採用されています。アメリカのシコルスキーは比較的大型のヘリコプターを生産しており、日本の陸海空の自衛隊にも採用されています。
参考資料
各社ホームページ
(Toyama Suguru)
中小企業診断士事務所 マスタープランズ・コンサルティング代表
中小企業診断士。経営コンサルタントとして中小企業の経営コンサルティングを行っています。また、企業や商工会議所などでセミナー・講演会活動も行っています。著書:「小さな会社はまず何をすればいいの?~新米社長岡崎の10の物語~」
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