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【プラットフォームビジネス編】世の中を変えてしまう新たなビジネス(全8章)

連載記事
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※本記事は2019年6月から10月までメルマガで配信した記事の内容を再構成したものです。

今回の「プラットフォームビジネス編」では、ここ10年で登場し一気に私たちの生活・社会・経済を変えてしまったプラットフォームビジネスについて迫ってみたいと思います。

第1章 プラットフォームビジネスって何?

世の中を変えてしまったビジネス

今回の連載記事のテーマはここ10年で世界を変えてしまった「プラットフォームビジネス」についてです。2人はプラットフォームビジネスは知っていますよね?

岡崎:「もちろん」

内山:「当然です。プラットフォームビジネスのお陰で僕たちの生活は大きく変わりましたからね」

そうですね。その最たるものがフェイスブックやツイッターなどのSNSですね。他にも、音楽配信サービスや映像配信サービスなど、ここ10年で世の中は大きく形を変えました。そして、その中心となったのがプラットフォームビジネスです。

プラットフォームビジネスって何?

さて、これからプラットフォームビジネス編ではプラットフォームビジネスのビジネスモデルや特徴について色々と語っていこうと思いますが、その前に「プラットフォームビジネスとは何ぞや?」という話をしておきましょう。

岡崎:「確かにプラットフォームビジネスという言葉はよく聞くけど、実際どんなものか分からなかったりするからな」

プラットフォームビジネスというものが世に出てきてからまだ日が浅いので、プラットフォームビジネス自体の明確な定義は無いんですが、私は「インターネット空間上で商品・サービスの提供者とその利用者をつなぐ『場』を提供するビジネス」がプラットフォームビジネスだと解釈しています。

内山:「『場』を提供するビジネスですか?」

そうです。もともとプラットフォームという言葉には「土台」や「基盤」「場」といった意味があります。ほら、駅のプラットフォームって言いますよね?あれは電車を利用する『場』だからプラットフォームと言うんです。

内山:「あー、確かに」

そして私たちは駅のプラットフォームを使って、電車を利用している。つまり、駅のプラットフォームは電車というサービスと私たち利用者をつなぐ『場』としての機能を果たしているわけです。

これと同じように、インターネット空間上で私たちと何かしらの商品・サービスをつなぐ『場』としての機能を果たすことで、収益を得ているビジネスのことをプラットフォームビジネスと言います。

第2章 プラットフォームビジネスを展開している企業とそのサービス

第1章では「プラットフォームビジネスとは何か?」ということについて話をしましたが、第2章ではどのような会社がプラットフォームビジネスをおこなっていて、どのようなサービスが提供されているのかを提供しているのかを紹介していきたいと思います。既に皆さんよくご存知だとは思いますが、少しお付き合い下さい。

GAFAのサービス

グーグル

プラットフォームビジネスを展開している企業のことを「プラットフォーマー」と呼びますが、その中で最も有名なのがグーグルです。グーグルは「グーグル検索」を筆頭に「グーグルマップ」や「Gmail」などの様々なサービスを提供しています。

岡崎:「グーグルさんにはいつもお世話になっています」

内山:「あと、YouTubeもグーグルのサービスですね」

そうですね。そして、よく知られていることですが、グーグルはその収益の多くを広告収入で稼いでいます。「情報を検索する場・提供する場」に人を集めて、そこに広告を出稿させて、その広告から収益を得るというのが基本モデルですが、最近では広告モデル以外でも収益を得られるように「GooglePlay」や「ユーチューブプレミアム」などのサブスクリプションのサービスも多く展開しています。

アマゾンドットコム

巨大EC企業アマゾンもプラットフォーマーです。アマゾンは「マーケットプレイス」というECプラットフォームサービスを運営しています。マーケットプレイスという「商取引の場」を提供し、そこから発生する手数料で収益を得るというビジネスモデルです。

岡崎:「楽天やメルカリなども同じモデルのサービスだな」

アマゾンは他にも色々なプラットフォームサービスを持っています。有名なのはプライムビデオですね。後ほど紹介するネットフリックスと同じサブスク形式や単発視聴の視聴料から収益を得ています。他にもTwitchというゲーム実況配信サービスも運営しています。

フェイスブック

次はフェイスブックです。フェイスブックは「フェイスブック」や「インスタグラム」の他に「メッセンジャー」や「ワッツ・アップ」というメッセージサービスも提供しています。

内山:「フェイスブックも広告収入から収益を得てるんですよね?」

そうですね、フェイスブックのビジネスモデルはグーグルと基本的には同じで、SNSやメッセージサービスという「情報発信・交流の場」を提供し、そこに広告を出すことで広告から収入を得ています。

岡崎:「SNSと言えば、ツイッターも同じモデルだな」

アップル

グーグル・アマゾン・フェイスブックとくれば次はアップルです。アップルもプラットフォームのサービスを提供しています。アップルのサービスとしてはApp Storeが有名ですね。AppStoreは「アプリなどを販売する場」を提供し、販売手数料を得ることで収益を得ています。他にもAppleMusicも有名で聴き放題のサービスや曲の販売など「音楽を聴く場」を提供することで収益を得ています。

内山:「GAFA勢はこんな感じですね」

では、続いてはGAFA以外の有名企業のサービスについてです。

GAFA以外有名企業のサービス

ネットフリックス

GAFA以外にもプラットフォームビジネスを行っている企業は多くありますが、一般的に有名なのは動画配信のネットフリックスでしょう。

岡崎:「毎日夜な夜なネットフリックスで見てるぞ」

私もです。海外作品が多い印象ですが、日本のアニメも充実しているので結構楽しめます。ネットフリックスは「映像作品視聴の場」を提供し、サブスクで収益を得るというビジネスモデルです。

スポティファイ

映像作品配信のネットフリックスに対して音楽配信サービスを提供するのがスポティファイです。スポティファイが提供しているのは「音楽を聴く場」です。

内山:「スポティファイみたいな音楽配信サービスが出てきたおかげで、CDを買ったりレンタルしたりすることがほとんどなくなりましたね」

ですね。ネットフリックスとスポティファイが出てきてから私はほとんどレンタルショップに行かなくなりました。そして、高額の延滞料にびっくりするということも無くなりました。これまで月平均で払ってきた延滞料よりも、視聴料の方が安くて経済的に助かっています。

岡崎:「いや…。延滞するなよ…」

ウーバー

次に紹介するのは配車サービスのウーバーです。

内山:「日本ではウーバー本体よりもウーバーEATSの方が有名なっている印象ですけどね」

ウーバーは「タクシーのドライバーと利用者をつなぐ場」を提供し、手数料収入で収益を得ています。ちなみに、ウーバーイーツも基本は同じで「タクシーのドライバー」が「飲食店」に変わって、飲食店と利用者の間を物理的につなぐ存在として宅配事業者というプレイヤーが加わっていると思ってもらえればOKです。

配車サービスでは他にも「リフト」が有名で海外では様々なプレイヤーが参入している市場です。日本でももう少し経てば配車プラットフォームが一般的になっているかもしれません。

エービーアンドビー

東京オリンピックの関係で一時期よく話題に上がっていた民泊だが、民泊を仲介するサービスを提供しているのがエービーアンドビーです。「家主(貸主)と宿泊客をつなぐ場」を提供して、手数料収入を得ています。

その他のプラットフォームサービス

上記以外にもプラットフォームビジネスは数多く存在しますが、一つ一つ紹介していたらいつまでたっても終わらないので、ここからは主要な分野別にまとめて紹介していきます。

決済系プラットフォームサービス

決済系のサービスとはいわゆるキャッシュレスのサービスです。メジャーどころでいくと「PayPay」や「楽天Pay」「LinePay」など。海外勢でいくと「PayPal」が有名です。GAFAも参入していて「GooglePay」や「ApplePay」「AmazonPay」などのサービスもあります。

岡崎:「決済系のプラットフォームは激戦区だよな」

ですね。何せビジネスで重要な購買データが手に入りますからね。それを使えば新たなビジネス展開も見えてきたりするので、激戦区の市場です。

ゲーム系プラットフォームサービス

ゲーム空間を使ってプレイヤーの「遊び場」を作ったり、「表現の場」を提供するサービスもあります。例えば、フォートナイト編で取り上げたフォートナイトやマインクラフトなどです。

ゲームに関しては今後VRやARが普及していたらバーチャル空間を提供するプラットフォームとして発展していく可能性があると個人的には注目の分野です。

これもプラットフォームサービス?

プラットフォーム「ビジネス」ではないですが、もう一つ有名なプラットフォームがあります。

内山:「何ですか?」

ウィキペディアです。お金儲けはしていないですが「知識を共有する場」を提供していると考えれば、ウィキペディアも一つのプラットフォームサービスなんじゃないかと私は思っています。

岡崎:「なるほど」

第1章でも説明した通り、プラットフォームビジネスという言葉の定義はまだ曖昧な部分があるので、何をプラットフォームビジネスとするかについては意見が分かれるところではありますが、他にも色々とプラットフォームビジネスを行っている企業はたくさんあるので、興味があれば調べてみて下さい。


第3章 プラットフォームビジネスの収益モデル

岡崎:「第2章で思ったけど、一口にプラットフォームビジネスと言っても色々な種類があるんだな」

内山:「ですね。色々なサービスがあるので少し頭が混乱してきました」

では、第3章では収益モデルごとに整理して頭の中をすっきりさせることにしましょう。

プラットフォームビジネスで収益を得る方法

プラットフォームビジネスで収益を得る方法は大きく分けて「広告収入」「サブスクリプション」「手数料」の3つです。

岡崎:「確かに第2章で紹介した会社はそのどれかの方法で収益を得てるな」

内山:「複数の方法を組み合わせるパターンもありますけど、基本はこの3つですね」

では、それぞれがどういったものなのか詳しくみていきましょう。

広告型

広告から収入を得ているものが広告型です。大きな特徴は基本的にユーザーはサービスを無料で利用出来るので、ユーザーを呼び込みやすいということです。

岡崎:「グーグルやフェイスブック、YouTubeはこのタイプだな」

だた、収益を得るためには多くのアクセスが必要なので、どうやってアクセス数を稼ぐかということが課題になります。

内山:「あと、ユーザーの質の維持も大変そうですね」

無料ということは変な人が混ざってくる可能性も高くなるので、いかにフィルターを掛けてユーザーの質を保つかということも重要です。

岡崎:「広告型のサービスだとたまに『広告がうざい』っていう意見も出たりするよな」

ですね。なので、ユーザーが不快にならない広告の出し方も重要です。

サブスクリプション型

月額定額課金で収入を得ているものがサブスクリプション型です。契約者数に応じて毎月一定額の収入が安定して入ってくるというメリットがあります。また、ユーザーにとっても月額定額で使い放題なので、一度契約してもらえればあとは安心して使えるというメリットもあります。

内山:「アマゾンプライム・ネットフリックスがこのパターンですね」

手数料型

取引の仲介をすることで手数料を得るのが手数料型です。アマゾンマーケットプレイス、AppStore、ウーバー、エービーアンドビーなどがこのパターンに該当しますね。

岡崎:「日本だと楽天やメルカリもこのモデルかな?」

ハイブリッド型

プラットフォームビジネスの収益モデルの基本形は上の3つですが、複数の収益モデルを組み合わせているサービスもあります。これをハイブリッド型と呼ぶことにします。

内山:「スポティファイはハイブリッド型ですね」

そうですね。スポティファイは無料版では広告が流れますが、有料版だと広告無しなので、広告型とサブスク型のハイブリッドですね。他にもクックパッドも広告&サブスクのハイブリッドです。

岡崎:「他にも広告型とサブスク型のハイブリッドのサービスは多いよな」

ですね。広告型だとユーザーは集めやすいが収益が安定しない、サブスク型だと収益は安定するがユーザー獲得が難しいという問題があるのですが、ハイブリッドにすれば相互に補い合えますからね。

プラットフォームビジネスの分類は他にも様々な切り口で出来るのですが、今回は収益モデルで分類してみました。

第4章 最強のビジネスモデル

今回のプラットフォームビジネス編を書くに当たって「プラットフォーム革命」という書籍が大きな参考になったわけですが、その著者であるアレックス・モサドとニコラス・L・ジョンソンはその著書の中でプラットフォームビジネスのことを『最強のビジネスモデル』と表現しています。

岡崎:「わずか10数年程度で世界を席巻してしまうだけの力を持っているんだから、確かに『最強のビジネスモデル』かもしれないな」

内山:「でも、何で最強なんでしょう?」

高い限界利益率

プラットフォームビジネスが最強である理由の一つはその損益構造です。プラットフォームビジネスはその構造上、限界利益率が非常に高くなります。

内山:「そっか、何かを仕入れて販売しているわけじゃないから変動費掛からないですもんね」

そうです。ちなみに、「プラットフォーム革命」の中ではこのことが「限界費用ゼロのビジネス」と表現されています。

岡崎:「限界費用とは変動費のことだな」

まあ、厳密に言えばサービスによっては変動費は掛かるでしょうから厳密にはゼロではないですが、プラットフォームビジネスの大きな特徴を表す言葉だとは思います。

そして、限界利益が高ければ売上が上がれば上がった分だけどんどん儲かります。これは損益分岐点の図をイメージしてもらえれば良く分かるかと思います。

さらに、仕入などの変動費が掛からないことにはもう一つ大きなメリットがあります。内山さん。何だと思いますか?

内山:「え?何だろう…」

岡崎:「運転資金が必要無くなるな」

さすが岡崎さん。その通りです。変動費が掛かるとその分運転資金が必要になります。そして、運転資金は事業スケールするときの障害になります。

内山:「ごめんなさい。スケールって何ですか?」

「規模を大きくする」とか「事業を成長させる」という意味だと思って頂ければOKです。

話を元に戻しますね。もし、変動費(仕入)があると「事業規模を2倍にしたい!」と思ったら今の2倍の運転資金をどこかから調達してこなければなりません。当然、変動費の割合が多ければ多いほどその負担も大きくなります。十分な運転資金を確保せずに無理やり規模を大きくすると最悪資金ショートを起こして事業が立ち行かなくなることもあり得ます。

岡崎:「運転資金が必要無ければそんな悩みからも解放されるな」

そして、運転資金が必要なければその分の手元にお金が残るので、その分をサービスの開発や人材の投資資金にも回すことが出来ます。

外部資源を活用して価値を生み出す

岡崎:「だけどさぁ、限界利益が高いビジネスなんて今までもたくさんあっただろ?お前もそうだろ?」

まあ、そうですね。私のような専門職や美理容業、医療業、教育業、ITエンジニアみたいな「人」がそのスキルや知識を商品として提供する業種は限界利益率は高いですね。

内山:「そうなると、限界利益率の高さだけが最強の理由ではないですね」

そうです。実は今挙げたような限界利益率が高い業種って構造的にある大きな問題を抱えているんですよ。

内山:「その問題って何ですか?」

スケールが非常にしづらいんです。なぜならサービスが人に依存するから。人には時間という制約がありますよね?みんな24時間365日の範囲内でしか働けないわけです。つまり、こなすことが出来る仕事の量に上限があるわけです。じゃあ、この上限を超えて仕事をするためにはどうすればいいか?

岡崎:「人を増やすしかないな」

そうですよね。ただ、ここで問題があって、その人の確保が難しいんです。業種によっては特別な資格が必要ですし、資格があってもその人の素質・能力・人柄などの問題があります。これらのことをクリアするためには人材教育が必要ですが、それも時間が掛かります。「仕事が増えたから、明日から俺と同じように働いて」というのは無理なわけです。

内山:「確かにそうですね」

まあ、このような人の問題は業種限らず共通の問題ですが、いずれにせよ仕事をこなすためのリソースの確保に時間が掛かるので、スケールにも時間が掛かります。でも、プラットフォームビジネスは根本的にビジネスの仕組みを変えてしまうことで、この問題をクリアしてしまいました。

内山:「どうやって?」

「外部の人たちに価値を生み出してもらう」という方法を取りました。プラットフォームビジネス以外のビジネスではお客様に提供する価値は会社の内部のリソースを使って生み出します。そして、それがビジネスの常識でした。しかしプラットフォームビジネスはその常識をひっくり返してしまったんです。

具体的には、プラットフォーマーは自分たちはユーザーが使用する「場」だけを提供して、実際の活動はユーザーに行ってもらうという方法を取ったわけです。例えるなら岡崎さんが建物と設備だけ用意して「あとは皆さんここで好きにものづくりをして下さい」と言っているようなものです。

岡崎:「おー、そのビジネス魅力的だな。俺はその様子を見ながら設備の使用料なり売上の一部なりを頂けばいいわけだろ?楽でいいな」

とは言っても、何もしなくていいわけでは無いです。ユーザーはプラットフォーマーが作り出した「場」の環境に魅力を感じて利用してくれているので、環境の整備にはしっかりと力を入れて頂く必要があります。後述しますが、実際にプラットフォーマーは環境の整備に莫大な工数とお金と技術力を投じています。

このように、「外部の人たちに価値を生み出してもらう」という仕組みを作ることで、プラットフォームビジネスはビジネスをスケールしやすくしたわけです。スケール出来ればその分だけ利益も増えます。そして、利益が増えればその分を再投資に回せるので…

内山:「さらに会社は大きくなるわけですね」

岡崎:「そして、そのサイクルが従来とは比べ物にならないほど早い」

だから、このサイクルに上手く乗った企業は毎年指数関数的に成長していきます。創業から数年で世界的企業になるなんてことが普通に起こり得るのがプラットフォームビジネスの世界です。

内山:「まさに『最強のビジネスモデル』ですね」