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稼働率と可動率  ~設備を効率的に使うための重要な指標~

けいなび研修
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工場の運営管理を行うに当たって、「稼働率」という言葉はよく知られています。一方で、同じように設備が動いている時間の割合を示す「可動率」言葉があるのはご存知でしょうか?

今回はこの「稼働率」と「可動率」をテーマとして、それぞれの違いや使い方について解説をしていきたいと思います。

稼働率 ~仕事量がどれだけあるのかを示す指標~

まず最初に稼働率ですが、これは「操業時間に対する設備が稼働した時間の割合」を示し、稼働率=設備の稼働時間÷操業時間で求められます。例えば、操業時間8時間に対して設備が8時間動いていたのなら稼働率は100%。仕事が無く、4時間しか動かすことが出来なかったのなら稼働率は50%です。

このことから、稼働率とは仕事量を表す指標。つまり、「能力に対してどれだけの仕事量をこなしているのか?」を示す指標であると言えます。

稼働率=設備の稼働時間÷操業時間

可動率 ~本来持てる能力をどれだけ発揮することが出来たかを示す指標~

一方、可動率とは何でしょうか?言葉の定義としては「設備を動かしたい時に実際に動かすことが出来る確率」とされていますが、少々イメージしづらいですよね?ですから、少し解釈を変えて「設備の稼働時間に対する良品を作っている時間の割合」と理解して頂ければ大丈夫です。計算式は可動率=可動時間(稼働時間-停止時間)÷稼働時間で求めます。

設備というものは常に製品が生産出来るわけではありません。故障での停止や、メンテナンス・段取替えなどの要因で停止することがあります。例えば、8時間設備は稼動していたが、そのうちの2時間は故障で設備を動かすことが出来なかったという場合、可動率は可動時間(8H-2H)÷稼働時間(8H)=75%です。これは、「設備は8時間稼働させたが、実際にはその内の75%しか仕事をさせることが出来なかった」ということを意味します。

このことから可動率とは「その設備が持っている能力をどれだけ発揮させることが出来たか?」ということを示す指標であると言えます。

可動率=可動時間(稼働時間-停止時間)÷稼働時間

稼働率と可動率の使い方 ~経営管理には稼働率、現場の管理には可動率~

では、どのように稼働率と可動率を使い分ければ良いのかを説明していきます。

まず、稼働率についてですが、これはどれだけの仕事量を確保出来ているのかを示す指標なので、この指標を使って「仕事量は適正か?」ということを判断します。

例えば、稼働率が100%であれば能力を100%使っているということなので、適正な仕事量が確保出来ていると判断することが出来ます。もし、稼働率が50%であれば能力の半分しか使っていないので、さらに受注を確保して仕事量を増やす必要があると判断が出来ます。逆に、稼働率が100%を超えているようであれば、仕事量が能力に対して多過ぎることを意味しているので、受注量を減らすか、設備投資を行うなり、改善を行うなりして能力を増強する必要があります。

稼働率とは仕事の受注量にも深く関係してくる指標であるため、経営者が見るべき経営管理の指標と言うことが出来ます。

次に可動率ですが、これはどれだけ持っている能力を発揮出来ているかを示す指標なので、この指標を使って「ロスの有無」を判断します。

例えば、可動率が70%であれば30%は設備が動いていないロスがあると判断出来ます。逆に、可動率が100%に近いようであれば設備停止に関してはロスは無く、問題の無い設備であると判断することが出来ます。

このことから、可動率とは管理者が見るべき現場管理・生産管理の指標と言うことが出来ます。

稼働率と可動率

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可動率の求め方 ~可動率を求めるための手順~

STEP1 稼働時間の調査
まずは設備を実際に動かした稼働時間を調べます。

STEP2 非可動時間の調査
次に、設備が停止していた時間(非可動時間)を調べます。例えば、設備故障で30分停止、始業・終業準備で30分停止、段取替えで1時間停止などです。

STEP3 可動時間の算出
稼動時間から非可動時間を引いて可動時間を求めます。

STEP4 可動率の算出
可動時間を稼動時間で割って可動率を算出します。

不良品の扱いについて ~不良品の生産は設備を止めているのと同じと考える~

実際に製品を生産すると不良品が発生することがありますが、この不良品を作っていた時間も可動率の計算に考慮するべきです。不良品というのは売れないものを作っているので、設備を止めているのと同じだからです。ですので、不良品を作っていた時間も「不良品の生産時間」として非可動時間に含めましょう。計算式は不良数×1個当りの生産時間(サイクルタイム)で求めます。

稼働率と可動率については生産に関する重要な指標なので、是非この機会に理解しておいて下さい。